カツカレー(\1,350)
◆短評
東急世田谷線 松陰神社前駅から本通のひとつ横の小道を行ってすぐ。 かなーり気をつけないと通りすぎてしまうような外観をしています。 自転車で反対側から行ってみましたが、最初は通りすぎちゃいました。
ここをカレー屋だと思う人は何人いるんだろう・・・。
なんとも面白い店名は 司馬遼太郎の『夜に棲む日々』で高杉晋作が言った 「しばらくの間 眠っていたようであるなあ」という意味の単語をとっているらしい。
なるほど、ではここからは エセ文学小説のような品評で参りましょうぞ。
しとしとと降る雨の中、雨宿りをするかのやうに民家と思しき店に入る。
なんとも趣きがあり素朴な店内。
女性の主人と男性の店員が気遣いながらも迎えてくれた。
席は全部で大小の机が4つ。
目の前の椅子に腰掛ける。
紙一枚のなんとも簡素なメニュウに目をやれば、 筋の「今週のカレェ」以外にも「カツカレェ」なるものもあり。
先ほど、すでに『吉葉』で一杯ひっかけてきた筆者だが、 これはカツに目がない者としてはずせない。うむ。
わそん:「カツカレェを一つ」
ちなみに、今週のカレェは「ごぼうとにんじんのカレェ」のやうだ。
さて、しばしの暇ができた。
雨音を聴きつつも、店内を見やる。
店内はほどよい時間が経過しているであろう風情と瀟洒(しょうしゃ)なさまだが、 スプーンが柳宗理とは、ここ一番は光っているやうに思えた。
と、店内の趣きに見入っていると
「パチパチ・・・」という音がする。
カツを揚げる音か。
そしてなんとも香ばしいかほりか。
いやがうえにも食欲をそそられる。
カツが揚がる音が、外の小雨とは違いだんだん激しくなり、 いよいよその音が最高潮を迎えようという刹那
「ポーン」という時計の音がして、ふと我にかへる。
なにげない日常の音がこんなにも心地よく聴こえる空間、 待つ時間もあながち苦ではない。
しばしの時間を楽しんだ後、目の前に置かれたなんとも美味そうなカレェがひとつ。
右手でスプーンを握り締め、まずは一口。
なるほど、少々の辛味と酸味が口の中に駆け抜けながらもどこか素朴で懐かしい味がする。
カツにスプーンをあて、サクッと切って口に運ぶ。
これは香ばしい。この厚みもカレェに合っている。
さらに、上にあるキャベツを混ぜて食べたなら、キャベツの少々の酸味と食感がアクセントとなり また違った味わいが見えてくる。
他の具は・・・、
そうか、これは「今週のカレェ」まさにそれにカツが乗ったものであったのか。
と言うことは、「毎週違ったカツカレェになる」と言うことに他ならない。
懐かしさと香ばしさをかみ締めつつも、さらりと平らげてしまった。
最後に、店の二人に店内の写真撮影の了承を得ようと話しかけたら、 にっこりと微笑んで快く受け入れてくれた。
なんとも心地よい空間であった。
微妙な文章を書いたので、疲れました・・・。
よーするに、素朴な味がするカレーという事でしょうか。
カツを乗せると一気に値段があがるので、考えちゃうところですねえ。
インドカレーの作りをしていますが、 贋作なのか真作なのかは食べた人の好みによるでしょう〜。
とてもすてきな空間でした。
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